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Hey, Jude

今年のGWは、職場同僚に無理を言って5/1、2もお休みを頂き、9連休にさせて貰った。

その連休の前半のヤマ場と個人的に位置づけていたのが、4/30(日)、ポール・マッカートニーの東京ドーム公演最終日への参戦だった。

ポールのコンサートは今回で都合4回目となる。

最初は1990年に、いみじくも先月デラックス・エディションが発売になった『Flowers In The Dirt』(1989)を引っさげ、1966年のビートルズでのコンサート以来のワールドツアーの一環として東京ドームにて6日間開催された際の1日(お恥ずかしながら、いつの日に参戦したか記憶があいまいで分からず)

次は目下の最新スタジオアルバム『NEW』(2013)を引っさげての「Out There」ツアーでの2013年11月12日、そして2015年4月21日の大阪ドーム公演、そして今回だ。

今回のワールドツアーは「One On One」ツアーと名付けられているが、実質的にはOut There」ツアーの発展的継続版といっていいのだが、御年74歳のポール、いやはや凄まじく旺盛なアーティスト活動には敬服するしかない。

勿論、その年齢からくる「これが最後かも」という思いもあるから、ファンとしても駆けつけずにはいられないのだ。

相棒は、いつも私の傍らにいてくれる大親友のI君。

直近2回の大阪ドーム公演も彼と一緒だったが、今回も東京で一泊することとなったので、勤め先を翌5/1休んでくれての参戦だ。

当日朝8時半の高速バスで14時に新宿に着き、すぐに会場付近に移動。

お昼前から販売開始しているというグッズ売り場に急いだのは、日本公演最終日ともなれば、グッズの品切れがあると嫌だなと思ったため。

会場近くのビルにも大きな看板があり、期待が高まる。

売り場には20人ほどの人が既にいたけれど、並ぶような事も無く買い物ができた。

しかし、一番欲しかった、東京ドーム限定TシャツのXLサイズは売れ切れ。。。

仕方なく、着れる事を信じて同シャツのLサイズを購入、着れなかった時のバックアップに、別デザインの日本公演Tシャツを買い、パンフを買い足し、それらを持ち運ぶにも使えるトートバッグも購入。

もう、財布の中身を気にしていいても仕方ない、後悔しないように、と買いまくった。

15時過ぎにI君と合流、二人ともロクな昼飯を食べてなかったので、中華料理店にしけこみ、ビールと中華料理で腹ごしらえ、その後コーヒータイムで万全を期して18時過ぎに会場入り。

開演は18時半予定だが、大勢の観客が席に落ち着くには時間がかかり、開演は20分近く遅れたと思う。(腕時計外していたので定かではありません。。。)

勿論、東京ドーム限定シャツに着替えての参戦、肩回りが少し窮屈ではあったが、Lサイズが無事に着られてホッとした。

席は三塁側スタンド席の中段で、ステージがセンター側からバックネット方向にセットされているので、ポールを彼の右斜め上方から見る位置になる。

それにしても、久ぶりに訪れた東京ドームの異様な大きさ、そして、そこが人で埋めつくされることで生まれる異様な高揚感に、「うお〜」と思わず唸ってしまった。

座席に座ると、あるビニール袋が。

それを見て、思わずニヤリ。

あとで、これが記憶に残る感動をこの日の観客とポールに巻き起こす事になる。

ステージのセット配置も、観客用の超大型モニタースクリーンも、今までと同じ構成で、代わり映えはしないといえばそれまでだが、逆に体験済だからこその安心感がある。

またインターネット時代だけにセットリストもほぼ判明しているが、それでも数曲は入れ替わるわけで、そこが大いなる関心の的であった。

クラブ風リミックスが施されたビートルズウィングス、ソロの名曲群がBGMで鳴り響く会場から客電が消え始めると、大歓声が凄まじい圧力となってドームに充満する。

大阪ドームとはスケールが違うというか、ここで既に鳥肌が。。。

いきなり、あの印象的なギターの「ジャーン!」、「A Hard Days Night」からのオープニングに5万人の大観衆は最初のピークをスタートから迎える。

そして2曲目、イントリが鳴った瞬間に思わずI君に「やった! 来よった!」と大声で叫んで飛び上がってしまった。

そう、今回のツアーで、日によって演奏されない事もあった「Juniors Farm」、これこそ今回私がどうしても聴きたかった曲なのだった。

オープニングあたりから「Jet]あたりまでのヒートアップした演奏は、「Out There」ツアーの興奮を更に倍加させていたと思う、それほどの素晴らしいセットリストだ。

更に、この曲は絶対に普通は演らないだろう、という意表を突きまくる「Temporary Secretary」、21世紀になり、やっと時代が曲に追いついたわけで、エレクトロなレイヴっぽさを大音響で聴けて、これまた興奮した。

それまでの「Let Me Roll It」に加え「Ive Got a Feeling」にかけて2曲ではリードギタリストとしてのポールが満喫できるし、至れり尽くせり。

中盤のアコースティックセットでも、私の大好きな「We Can Work It Out」がチョイスされた上に、ビートルズの前進バンド「クオリーメン」として初録音した思い出の曲「In Spite of All the Danger」も繰り出すなど、今回のセットリストは、さながらポールのキャリアの総括的な意味合いも否が応でも感じさせるものでもあった。

珍しいところでは、カニエ・ウェスト、リアーナという今を時めくアメリカのスターと共演したシングル「FourFiveSeconds」をセルフカバー。

作曲とアコギだけの参加だったポールが歌ってくれたわけで、ファンとしても小品ではあったが聴き応えを感じたはず。

そして、「Ob-La-Di, Ob-La-Da」からラスト大団円を迎えるまで、怒涛のクライマックス演奏が繰り広げられた。

このあたりの数曲は、順序が入れ替わってもセットリストから落ちない、いや、ファンとして落ちる事を許したくない曲群ばかりで「Band on the Run」「Band on the Run」「Live And Let Die」「Hey Jude」は、もはや必殺フルコースだ。

特に「Live And Let Die」では3塁スタンド席にいても体感されるほど、炸裂する火薬と燃え上がる炎のギミックが強化されていて、これまた大興奮。

そしてそして。

ここで各座席に忍ばせてあったビニール袋が大活躍する。

そこにはこんな紙が挿入されていた。

そして、あるモノも。

本編のオーラスとして歌いだした「Hey Jude」、客電が落ちる中でステージセンターのピアノで弾き語るポールの表情が少しばかりの驚きと共に微笑みに変わった。

「ワオ」というような表情に、ポールの感情の揺れ動きが見えた気がした。

何故なら、東京ドームが、美しい青の灯に包まれたから。

スタンド席からは、ステージもアリーナも、対岸スタンドも見渡せたわけで、5万人が灯すサイリウムの作り出した壮大で美しい光景と、そこに重なる美しくも感動的な名曲に、とんでもない感動が押し寄せて来た。

エンディングのコーダ部分はお約束の観客による大合唱で幕を閉じたが、この日のこの光景は永遠に忘れる事は無いと思う。

一度はステージを去ったポールが、鳴りやまぬ拍手に押され再登場。

アコギ1本で歌われる「Yesterday」の優しい調べに、静かに、そして再び一体になるポールと観客。

「Sgt. Peppers」のリプライズから繰り出された曲に思わず、また「うお〜」と興奮!

なかなか今回のツアーでも演奏されることの少ない「Get Back」が登場、大学時代にバンドでコピーしたことを思い出してしまった。

このあと、任意で選ばれたのか、2組の母娘の観客がステージに呼び込まれ、ポールとハグして貰ったりの大サービスを受けて、「Hi, Hi, Hi」では即席のステージダンサーに。

(といっても、ただピョンピョン飛んでただけだったが)

そして、大団円、「Golden Slumbers 〜 Carry That Weight 〜 The End」で、大興奮のアンコールが終了、ポールの「また会いましょう!」の呼びかけに答えて盛大に紙吹雪が舞い上がって、コンサートは終了した。

半ば放心したまんまではあったが「おい、ポール『また来る』言うたな。。。」とI君に語りかけたら、「おお、来い来い!」とI君もニヤリ。

次は、果たして本当にあるのだろうか。

少なくとも、ポールの言葉を信じていれば、これから続く日々の生活にも、生きがいとハリを見出していけるような、そんな勇気と元気が湧いて来た。

<SET LIST>

01. A Hard Days Night

02. Juniors Farm

03. Cant Buy Me Love

04. Jet

05. Temporary Secretary

06. Let Me Roll It

07. Ive Got a Feeling

08. My Valentine

09. Nineteen Hundred and Eighty-Five

10. Maybe Im Amazed

11. We Can Work It Out

12. In Spite of All the Danger

13. You Wont See Me

14. Love Me Do

15. And I Love Her

16. Blackbird

17. Here Today

18. Queenie Eye

19. New

20. The Fool on the Hill

21. Lady Madonna

22. FourFiveSeconds

23. Eleanor Rigby

24. I Wanna Be Your Man

25. Being for the Benefit of Mr. Kite!

26. Something

27. Ob-La-Di, Ob-La-Da

28. Band on the Run

29. Back In The U.S.S.R.

30. Let It Be

31. Live And Let Die

32. Hey Jude

encore

33. Yesterday

34. Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band (Reprise)

35. Get Back

36. Hi, Hi, Hi

37. Golden Slumbers

38. Carry That Weight

39. The End

Hey, Jude / The Beatles

ビートルズの数ある名曲の中でも、最も商業的な成功を収めたのは、1968年に全米シングルチャート9週連続1位を獲得したこの曲ではないだろうか。

7分に及ぶ異様な長さは、現代でも異様だが、それを一切感じさせない、中だるみの無い、終盤にかけて盛り上がり続ける素晴らしい内容は、ビートルズの、というよりも20世紀のポップスを代表する名曲といってよいのではないだろうか。

この曲がシングルA面、ジョン作の「Revolution」がB面で、それぞれ見事過ぎる名曲ではあるが、この後に発表されるアルバム『The Beatles』(通称『ホワイト・アルバム』)の先駆けといえるこの2曲は、それぞれのソロ的な意味合いも濃厚であり、その後の彼らの解散を静かに予期させるものでもあった。

まさに、A面はポールの独壇場、B面はジョンの独り舞台。

そう、自作曲で他の3人を脇役に退け(曲によっては活躍機会を奪う)るなど、個性を主張し始めた4人のビートルは、もはやバンドでいる意味を失い始めていくことになる。

Judeとは、ビートルズでのデビュー当時に結婚した妻シンシアとの間に生まれたジョンの息子ジュリアン(68年当時5歳)のこと。

もともと家庭的なタイプでもなく、幼い子供とのコミュニケーションがうまくなかったジョンに代わり、いつも可愛がっていたのが「ポール小父さん」だったそうで、ポールはジュリアンのことを「ジュール」と呼んでいて、それが「ジュード」に置き換えられている。

さらに、この頃ジョンはオノ・ヨーコと不倫関係にあり、シンシアとジュリアンは哀しい想いをしていたため、特に幼心を痛めていたであろうジュリアンを元気付けるためにポールはこの曲を作ったのだそうだ。

美しくもあり、高揚感もある独特のメロディラインと、それをエモーショナルに歌いきるポールの歌唱力も聴きものだが、曲に過不足ない印象をさりげなく与えているジョン、ジョージ、リンゴのセンスをもわつぃは評価したい。

まだ決定的な亀裂の入る前だったジョンも、素直に、このパーソナルな曲の発表を受け入れるとともに、歌詞の中の「the movement you need is on your shoulder」があまりにパーソナル過ぎるから削除したいと言ったポールに対して「これがあるから良いんじゃないか」とジョンが返した事がポールの脳裏に強く残っているそうで。このくだりを歌う時にはいつも感情が高ぶると、以前ポールが語っていたことがある。

皮肉屋のジョンは「とても素晴らしい歌詞。ポールも頑張ればよい詩が書ける」と言ったという。

プロモクリップの先駆けともいえる、ファンを大挙スタジオに招き入れて制作した有名な映像と共に、世代を超えて愛され続けていく名曲。

ご存じの方も多いと思うが、ジュリアンは成長してプロのシンガーになり、父親譲りのルックスと歌声で1980年代にはヒットを飛ばした。

シンシアは2015年に惜しくも癌で亡くなっている。

ねえジュード 落ち込まないで

悲しい歌でも気分は上がるさ

彼女をいつも心の中に

そうすれば進んでいけるさ

きっといい方向に

ねえジュード 怖がらないで

外に出されたからこそ

彼女を得られたんだから

彼女を受け入れたなら

進んでいけるさ

きっと良い方向に

痛みを感じるなら

ねえジュード やめていいんだよ

そんなに重荷を背負わなくていいさ

クールにふるまう必要はない

寒くしてしまうだけだから

自分で自分の心を

ねえジュード がっかりさせないで

彼女を見つけたんだから

今こそつかまえに行くんだよ

彼女をいつも心の中に

そうすれば進んでいけるさ

きっといい方向に

さらけ出して

ねえジュード 受け入れるんだ

誰かを待ってるんだろうけど

わかるだろ それは君なんだ

ねえジュード やらなくちゃ

君が必要としてる行動は 

君自身にかかってるんだよ

ねえジュード 落ち込まないで

悲しい歌でも気分は上がるさ

彼女をいつも心の中に

そうすれば進んでいけるさ

きっといい方向に

■ファンも参加して収録された有名なプロモクリップ(1968)

https://www.youtube.com/watch?v=A_MjCqQoLLA

■ロンドンはハイドパークでのライヴ(2010)

https://www.youtube.com/watch?v=tRnFHfI7WAQ

■いち早くアップされた参戦当日のライヴ(2017.4.30)

 開始24秒あたりで、ポールが小さく「ワオ」と感動している様子が見える。

https://www.youtube.com/watch?v=0tMe-2iIRVg